Q1 パソコン用メモリには、どんな種類があるのですか。
A1 メモリの分類の仕方として、モジュールの形状(ピンの数)で区分する方法とチップのタイプで区分する方法が考えられます。
それに基づき分類したのが次の表です。
モジュール形状 SIMM DIMM DDR RIMM DDR2

チップの種類

F.P.DRAM

EDO DRAM

SDRAM

DDR SDRAM

Direct RDRAM

DDR2 SDRAM

メモリモジュール

66MHz

PC66
PC100
PC133
PC1600
PC2100
PC2700
PC3200
PC600
PC700
PC800
PC1066
PC2-3200
PC2-4200
PC2-5300
PC2-6400
PC2-8500

バス幅

32ビット 64ビット

16ビット

64ビット

アクセス性能

低速 ← → 高速

次にチップの種類ごとにメモリの区分を示す。
1) F.P.DRAM
F.P.DRAMは、初期のPentiumマシンに採用されていたメモリモジュールです。
もちろん現在のマシンでは採用されていません。
このタイプは、SIMMモジュールとなります。
F.P.DRAMを区分するには次のようにパリティの有無とアクセス速度があります。
モジュール形状 SIMM (72ピン)

メモリ増設単位

2枚単位

パリティの有無

あり

なし

アクセス速度

60ns

70ns

60ns

70ns

パリティの有無は、マシン本体がパリティ付メモリが必要な場合は、パリティ付メモリを搭載し、パリティが必要のないマシンでは、どちらのメモリを使ってもよい。
ただしパリティありとパリティなしのメモリは、混在させない方がよいといわれている。
ただし、実際にやってみると問題はなかったが。
アクセス速度は、たいていが60nsである。
Pentium以降のマシンの場合、SIMMを増設する際は必ず2枚組で増設しないといけない。
これは、SIMMが32ビット幅のデータバスしか持っていないので、64ビット幅を確保するためである。
中には、4本組で増設しなければならないマシンもある。
2) EDO DRAM
EDO DRAMは、F.P.DRAMをより高速化したメモリモジュールです。
このタイプは、SIMMモジュールとなります。
現在のマシンでは採用されていません。
EDO DRAMを区分するには次のようにECCの有無とアクセス速度があります。
モジュール形状 SIMM (72ピン)

メモリ増設位

2枚単位

ECC対応の有無

ECC対応

ECC非対応

アクセス速度

60ns

70ns

60ns

70ns

ECCの有無は、マシン本体がECCメモリが必要な場合は、ECC対応メモリを搭載し、ECC対応でないマシンでは、どちらのメモリを使ってもよい。
ただしECC対応ありとECC対応なしのメモリは、混在させない方がよい。
アクセス速度は、たいていが60nsである。
SIMMを増設する際は必ず2枚組で増設しないといけない。
3) SDRAM
SDRAMは、従来型のメモリモジュールですが、新規に販売されているマザーボードではほとんど採用されていません。
このタイプは、DIMMモジュールとなりますが、S.O.DIMMという少し小振りのモジュールのタイプも存在します。
SDRAMを区分するには次のようにメモリクロック、ベースクロック、ECC対応の有無、CLがあります。
モジュール形状 DIMM(168ピン) S.O.DIMM(144ピン)

メモリ増設単位

1枚単位

メモリクロック

2クロック

4クロック

メモリモジュール規格

PC66

PC66

PC100

PC133

ベースクロック 66MHz 100MHz 133MHz

ECC対応の有無

対応

非対応

対応

非対応

対応

非対応

対応

非対応

CL

-

CL3

CL2

CL3

CL2

CL3

CL2

バンド幅 0.532GHz 0.8GHz 1.064GHz
メモリクロックが2クロックのモジュールは、初期のDIMMで存在したが現在のマシンは、すべて4クロックに対応している。この場合、お互いに互換性は全くないので注意が必要である。
ベースクロックは、マザーボードの外部クロックに合わせたモジュールを選ばないといけないが、外部クロックよりベースクロックが高いモジュールを使うのはかまわない。
逆にマザーボードの外部クロックが100MHzなのに66MHz対応のメモリを使うことはできない。
ECCの有無は、マシン本体がECCメモリが必要な場合は、ECC対応メモリを搭載し、ECC対応でないマシンでは、どちらのメモリを使ってもよい。
ただしECC対応ありとECC対応なしのメモリは、混在させない方がよい。
CL(CAS Latency)は、メモリアクセスのタイミングを示し、CL2の方が性能は上である。
これもマザーボードがCL2に対応しているのにCL3のモジュールを使うことはできないが、逆はかまわない。つまりCL2のモジュールであれば問題ないということである。
4) DDR SDRAM
比較的最近登場したメモリですが、現在の主流です。
このタイプは、DDR DIMMに対応しています。
SDRAM用のマザーには対応しないので注意が必要ですが、最近のマザーボードはほとんどこのタイプといってもいいでしょう。
パフォーマンス的にも性能向上がめざましく、DDR400(PC3200)も登場しています。
このタイプのメモリは、従来のSDRAMに比べてアクセスタイミングを立ち上がりと立ち下がりの両方でリードライトするようにしたもので、従来のSDRAMは、立ち上がりの時だけアクセスできたから、単純に考えてもアクセス回数が2倍になるのである。
モジュール形状 DDR DIMM(184ピン)

メモリ増設単位

1枚単位

チップ規格 DDR-200 DDR-266A/B DDR-333 DDR-400

メモリモジュール規格

PC1600

PC2100

PC2700 PC3200
クロック周波数 200MHz 266MHz 333MHz 400MHz
バンド幅 1.6GHz 2.1GHz 2.7GHz 3.2GHz
5) DirectRDRAM
DirectRDRAMは、最新のアーキテクチャーとして最近登場したメモリであるが、最近ではあまりお目にかかれません。
このモジュールは、RIMMに対応しています。
DirectRDRAMは、メモリ転送クロックがたいへん高速であるのが特徴で従来のSDRAMに比べても約2倍の転送能力を持っている。
もうひとつの特徴は、データの流れが一方通行であることで、そのため空きのスロットにもダミーモジュール(C-RIMM)を装着する必要があることです。
このRIMMモジュールは、たいへん高価な上に対応チップセットが少なく(i820など)あまり普及していないのが現状です。
DirectRDRAMの区分は、アクセス速度、ECC対応の有無があります。
モジュール形状 RIMM

メモリ増設単位

2枚単位(空きスロットにダミーが必要)

アクセス速度

PC600

PC700

PC800

PC1066

ECC対応の有無

対応

非対応

対応

非対応

対応

非対応

対応 非対応
バンド幅 2.4GHz 2.7GHz 3.2GHz 4.2GHz
RIMMでは、アクセス速度が異なるモジュールを混在させることはできない。
必ず本体に対応するモジュールで同一のものを装着する必要がある。
現在のメーカ製パソコンは、すべてECC対応になっているので、増設する場合にはECC対応モジュールを使うべきである。
6) DDR2 SDRAM
DDR SDRAMを高速化したSDRAMの規格である。DDRよりも高速で動作電圧もDDRに比べて低いため消費電力も少ない。しかしDDRとの互換性はない。言うまでもないが現在の主流である。
DDR2は4ビットのプリフェッチ機能(CPUがデータを必要とする前にメモリから先読みして取り出す機能)を持っていて、外部クロックに内部クロックの2倍のクロックを用いているので、同一クロックで動作するDDR SDRAMの2倍、SDRAMの4倍のデータ転送速度を得ることができる。
モジュール形状 DDR2 DIMM(240ピン)

メモリ増設単位

1枚単位

チップ規格 DDR2-400 DDR2-533 DDR2-667 DDR2-800 DDR2-1066
モジュール規格

PC2-3200

PC2-4200

PC2-5300 PC2-6400 PC2-8500
メモリクロック 100MHz 133MHz 166MHz 200MHz 266MHz
バスクロック 200MHz 266MHz 333MHz 400MHz 533MHz
バンド幅 3.2GHz 4.267GHz 5.333GHz 6.4GHz 8.5GHz